DESIGN PART　ー 芦屋浜の家 ー

建築地は埋め立て造成された海辺の分譲地内にある。週末になると砂浜や公園で休日を楽しむ家族などで賑わう風景のある土地であり、敷地前方には大きな空が広がっている。この家は共働き夫婦と社会人になる娘三人のために計画されたものである。計画では街の風景を生活空間内に取り込み、開放的でありながら、プライバシーを確保することを意識した。エントランス右手のプライベートスペースにはシューズクローク、寝室、水周りを集結させ、パブリックスペースと動線を明確に分けている。パブリックスペースにおいて、リビング上部に設けられた吹き抜けは、それを核として、リビング、ダイニングキッチン、和室が曖昧に繋がり一体的な空間構成を拡張している。また、リビング前方の植栽帯、和室前の吹き抜け、ダイニングキッチン前のバルコニーがそれぞれ連結され、街に対しての緩衝帯の役割を果たしている。家族ひとりひとりが、互いの気配を感じながらも、季節や時間に合わせ、自分の好む居場所を見つけていくことを望む。