DESIGN PART　ー thorough house ー

周辺環境は、山あいの住宅が建ち並ぶ閑静な場所である。前面道路は交通量が多く、バスの停留所もあり、音・ライト・視線から生活を守る必要があった。この建築は外周の壁と一枚の庇でできている。閉じることでプライバシーや防犯や景色を制御できる空間とするとともに、生々しい外から音の・熱環境的に中間の空間を介して内部の空間や生活を守り、温暖化をやわらげるやさしい空間となる。建物の全体ボリュームとしてまず壁面後退ラインで生活の領域を囲み、その中で自律する内外空間とした。躯体の力だけで空間をつくること。機能は1階ではセンターコアとしてまとめ、2階では抽象的な箱として点在させている。それにより、外周の壁で囲われた内外空間は連続するワンルームとなり、空へと連続し無限の空間となる。